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その②原文のままです

投稿者 偏屈者 : 2012年03月16日 15:50

コメントの中に「事故対応」についてのご指摘がありますが、それについて。

よく言われるのが「ベントを遅らせた」「SPEEDIを隠した」という点ですけれども、菅首相の訪問によって発電所側がベントを遠慮したという確実な調査報告はどこにもありません。当初、これを指摘していた産経新聞も、その後の検証記事で、技術上の困難によってベントが遅れたと訂正しています。またベント自体は格納容器の破裂を防ぐ手段であって、建屋の水蒸気爆発を防ぐものではありませんので、ベントの遅れ=建屋の爆発ではありません。

そもそもオフサイトセンターを放棄した時点で防災マニュアルは崩壊、情報も遮断されていたわけですから、情報のラインを作る上では、現場に向かい責任者と会うことは、一つの選択だったと思います。ちなみにこの訪問は作業員たちに「国から見捨てられたわけではないんだ」という副次的効果を与えたと先日の福島民友新聞に掲載されていましたね。

 またSPEEDIの一件に関しても、運用自体は官僚が行なうわけですから、情報が官邸に上がってこなければこれを隠すことすら不可能です。そしてSPEEDIの情報を官邸に上げたという事実は民間事故調の報告書を読んでもどこにも見当たりません。

 そもそも、本来の防災マニュアルでは、SPEEDIを活用し、避難指示を検討する場所はオフサイトセンターであって官邸ではありません。当然、訓練でもSPEEDIを官邸が活用する場面はありません。ご承知のようにオフサイトセンターは放棄されたわけですから、官僚側から進言がない限り、官邸がこれを参考にする手立てはないわけです。

 なお蛇足ですが、しばしば「事故対応」を賞賛される発電所の吉田前所長は当時本社の取締役であり、IAEAや国会での安全対策不備に関する指摘された際にも安全対策部門の幹部でした。彼もこの事故のA級戦犯であることをお知りおきください。

 「官邸が被害を拡大させた」なる説を喧伝するのも結構ですが、そもそもこの事故が起こらなければ、津波による被災者の救援が遅れることもなかったわけですから、最も責められるべきは、事故を起こした東電や安全神話に拘泥した原子力ムラなのではないですか?

 以上、重要な点ですので、指摘させていただきました。

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