招致委・東京都に「2020年オリンピック・パラリンピック東京開催」取り下げを求めます。
発信者
2020東京オリンピック・パラリンピック開催取り下げを求める若者有志の会
9月7日にアルゼンチンで行われた国際オリンピック委員会(IOC)総会の五輪招致プレゼンテーションにて、安倍晋三首相が行ったスピーチおよび質疑においての説明は、東京電力福島第一原子力発電所の事故後の処理に関する現状とかけ離れた内容のものであり世界の人々を欺くと言っても過言ではないものです。
世界中が注目し、東京への招致の最大のネックと言われていた福島第一原発の汚染水や放射能汚染に関して、実際の状況とかけ離れた説明に基づいて世界中が期待するスポーツの祭典を日本で開催することは、正々堂々を旨とするスポーツ精神の冒涜であり、
世界中の人々への不徳であり、日本国民の国民性を貶めるものです。
私たちは、多くの日本国民がオリンピック東京開催を切望し、また、既に政府をはじめとして多様な主体が開催に向けて動き出していることを知っています。
オリンピックが東京で開催されれば、スポーツ関係者はもちろんのこと、多くの人々に夢と希望を与え、また、経済的なメリットも大きなものになるでしょう。
東日本大震災からの復興や、福島原発の汚染水処理が加速する理由にもなるかもしれません。しかし、それらはあくまで日本国民の都合です。
オリンピックは世界中の人々と分かち合う機会であり、世界の人々に正しく日本の現状を理解してもらい、納得してもらった上での開催でなければ、どんなに日本のメリットが大きくても、意味はありません。
福島第一原発の状況は、日々新たな汚染が発覚することからも、管理されているとは到底言い難い状態です。
事故を起こした東京電力ですら、水素爆発を起こした原子炉の核燃料棒が今どこでどのような状態になっているのか、また地下水がどのように流れ、汚染水がどのように漏れているのか、はっきりとは把握できておらず、推測の上で対策を立てている状態です。
そして今回のプレゼンテーションでは触れられませんでしたが、福島第一原発には2700本を越える使用済み核燃料が残されており、特に4号機には1300本以上の使用済み核燃料が、
ひびが入った燃料プールに残されています。
大地震や竜巻などが福島第一原発を襲って燃料プールがさらに破損・倒壊したり、使用済み核燃料回収作業中に核燃料が落下するなどの事故が起きれば、甚大な被害を及ぼすと考えられています
以上のように、福島第一原発は潜在的に非常に大きなリスクを抱えており、その状況を完全につかんでいるとも言えず、また対策もまだまだ道半ばです。
「状況を管理できている」「現在も将来も健康問題は起きない」と断言するにはほど遠い状況であることは明白です。
それにもかかわらず、現状を覆い隠すような説明によって勝ち取ったオリンピックを、私たちは心から喜べるでしょうか。
オリンピックまでの7年間に、大地震などの大災害や、人為的な事故が福島第一原発をはじめとする日本中の原子力発電所を襲う可能性を誰も否定できません。
そしてその時は、関東地方も無事ではいられなくなる可能性も大いにあるのです。
このような状況でオリンピックを喜んでいれば、日本人とはどのような手段でも自分たちが勝利を得ればそれでよい国民なのだと、世界中に記憶されるでしょう。
今、本当にこれでよいのかと声を上げなければ、違うと知りながら、現実とはかけ離れた首相の説明内容を容認することになります。
このような姿勢を、私たちの子どもやこれから生まれてくる世代に、あなたはひとりの人間として見せられるでしょうか。
日本政府および東京都は、東京でのオリンピック開催の決定を返上し、再投票にかけるなどすべきです。
目先の利益や快感を越え、真に社会が大切にすべき価値を求める姿勢が、全ての日本人に求められていると思います。
正々堂々とスポーツマンシップにのっとり、きちんとした説明をした上で、再度心の底から喜べる五輪招致を勝ち取ろうではありませんか。
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