ブログ

米国と互角に渡り合える政治家はいないのか

5月9日付地元紙より

ベルリンの壁といえば、東西冷戦時代に、東独が市民の西側流出を遮断した“反自由”の象徴だった。当時、西ベルリンを訪れたケネディ元米大統領が演説し、家族を引き離す壁を歴史と人類への侮辱だと非難した。自由を守る決意を示した演説は感動的だ

2000年にベルリンを旅した際、取り壊された壁の破片が売られていた。壁を越えようとして射殺された市民がしのばれ、壁は過去の遺物になったと感じたのだが今度は自由の国、米国に壁ができるのか。「国境を越えて犯罪と麻薬が流れ込んでいる。壁をつくってメキシコに金を払わせる」。米大統領選で過激な主張を繰り返す実業家のトランプ氏が保守層の支持を集め、共和党の指名獲得を確実にした

トランプ氏は日米安全保障条約が「不公平」だと主張し、米国が支出する日本防衛費用の全額負担を日本に求めると言う。日韓の核武装も容認する構えだ。おまけに、日米が主導してきた環太平洋連携協定(TPP)には反対している。日本としては、もう何が何やら分からないというのが、本音だろう

しかし、悲しいさがなのか、政府首脳は「誰が大統領になっても日米同盟は…」と平静を装う。よく反響する壁のように、米国の要求に応えるばかりでは困る。外圧をはねのけ、米国と互角に渡り合える政治家はいないのか。

コメント

0 件

コメントをどうぞ

 *

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください